ScreenXは本当に“没入感”があるのか?──実際に体験して感じた「期待」と「高揚感」のズレ

映画館 スクリーンX コンテンツ文化

映画館の特殊上映といえば、近年はIMAXや4DXだけでなく、ScreenX もかなり知られるようになった。

正面スクリーンだけでなく、左右の壁面にも映像が広がる上映方式。
「視界全体が映画になる」と宣伝されることも多い。

しかし実際に体験してみると、
私が想像していた“壁全面スクリーン”とは少し違っていた。


「画面が広がる=没入感」ではなかった

私が最初に見たのは『フォードVSフェラーリ』。

車がメインのレース映画なら、左右に景色が広がるScreenXと相性が良さそうだと思った。

レースシーンで視界いっぱいにサーキットが広がる。
そんな体験を期待していた。

実際、見る前はかなりワクワクしていた。

しかし、正直に言うと、思ったほどの感動はなかった。

もちろん「無価値」という意味ではない。
ただ、“追加料金を払った分の満足感”という意味では、少し微妙だった。

ちなみに作品そのものは良かった!
鑑賞後にパンフも買ったし。


理由①:左右映像は「メイン画面」ではない

ScreenXでまず感じたのは、

👉 左右映像は、あくまで“補助”

だということ。

正面スクリーンほど鮮明ではない。
情報量も少ない。
映画全編のうちの一部でしか左右の映像は流れない。

そのため、「映像世界に包まれる」というより、

「壁にも映像が出ている」

感覚に近かった。

もちろん作品によっては効果的な場面もある。
だが、常に視界全体が映画になるわけではない。


理由②:座席位置の影響がかなり大きい

これも重要だった。

ScreenXは、おそらく座席位置で印象がかなり変わる。

人間の視界やパースを考えると、

◆前方席はちょっと厳しい

◆中央付近も意外と微妙

◆やや後方、かつ端すぎない席、がベターだと思う。

私は最初のScreenX体験を、中央付近で見た。

そのせいで、左右映像を「自然な没入感」として受け取れず、

「視界の端で映像が動いている」

感覚の方が強かった。

もし後方寄りで見ていたら、印象は少し変わったかもしれない。


思っていたより「壁全部スクリーン」ではなかった

正直に言うと、私はScreenXを見る前、

「映画館の左右の壁すべてがスクリーン化する」

くらいのイメージを持っていた。

宣伝ビジュアルの印象もあり、視界全体が映画になるような体験を想像していたのである。

しかし実際に行ってみると、左右にあるのは“壁全面”というより、

👉 横長のスクリーンが追加されている

感覚に近かった。

もちろん場面によっては広がりを感じる瞬間もある。
ただ、正面スクリーンと同じ密度で常に映像が広がるわけではない。

そのため、人によっては、

「思ったより普通だった」

と感じる可能性はあると思う。

特に初見だと、宣伝イメージから期待値がかなり上がっていることも多い。

だからこそ、ScreenXはレビューだけで判断するより、

👉 一度実際に体験してみる

のが一番早い上映形式なのかもしれない。

それでも、なぜ人気が出るのか

ただ面白いのは、ScreenXを強く評価する人が一定数いることだ。

特に人気作品では、その傾向を感じる。

たとえばアニメ映画。

お気に入りのシーンが左右まで広がる。
好きなキャラクターに“包まれる”。

そういう体験は、確かに高揚感がある!

つまりScreenXの満足感は、映像技術そのものだけではなく、

「好きな作品を特別な形式で見た!!」

という感情込みで成立している部分が大きい。
これは悪い意味ではない。

映画館体験とは、
そもそもかなり感情的なものだからだ。

大好きな作品を良い環境で見たい

特殊上映の価値は、作品への熱量によってかなり変わる。

本当に好きな作品だと、

  • 「少しでも良い環境で見たい」
  • 「限定特典も欲しい」


という気持ちが自然に生まれる。

一方で、熱量が落ち着いた作品だと、
“追加料金に見合うか”
をかなり冷静に考えるようになる。

そういう意味でも、特殊上映は単なる設備体験ではなく、
「その作品をどれだけ好きか」
を増幅する装置なのかもしれない。

「限定特典」文化

特殊上映の人気は、映像体験そのものだけでなく、
「限定特典」文化とも強く結びついているように感じる。

特にアニメ作品では、IMAXやScreenX限定の入場者特典が配布されることも多い。

  • IMAX限定大判ポスター
  • ScreenX限定三面ポストカード
  • 4DX限定アクリルキーホルダー

特典そのものが魅力的な上に、
上映館数が限られているからこそ、欲しくなるのが人情。

つまり現在の特殊上映は、

“映画を見る場”であると同時に、
“限定体験や限定アイテムを入手する場”


にもなっているのかもしれない。


ScreenXは「合う作品」と「期待値調整」が重要

個人的に感じたのは、ScreenXはIMAXのように「とりあえず上位互換」になる形式ではないということ。

作品との相性。

座席。

そして何より、

👉 「何を期待して見るか」

で評価がかなり変わる。

「映画世界に完全没入できる革命的体験」を期待すると、肩透かしかもしれない。

一方で、

「好きな作品を少し特別な形で楽しむ」

くらいの温度感なら、十分アリだと思う。

少なくとも私は、ScreenXを見て、

“映画館の特殊上映は、映像技術だけではなく、観客の感情込みで成立している”

ことを改めて感じた。


コラム:対応作品でなくても“箱の違い”は感じた


ちなみに、ScreenX館は常に対応作品を上映しているわけではない。
そのため、普通の2D上映に箱が使われることもある。

以前、私はあるアニメ映画をかなり気に入り、時間を見つけては映画館へ通っていたことがある。

そのうちの一回が、たまたまScreenXシアターだった。

当然、作品自体はScreenX非対応なので、左右に特別な映像は映らない。

しかし、通常のシアターと違って側面パネルが白いためか、正面スクリーンの光がほんのり反射し、

「同じ映画なのに、空間が少し明るく広く感じる」

不思議な感覚があった。
ちょっとだけ別の作品を鑑賞しているような…。

派手な没入感とは違うが、これはこれで少し新鮮だった。

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