学校へのクレームが増えている。給食の内容、教師の言葉遣い、友人関係のトラブル対応——かつては家庭で解決していたことが、学校の責任として持ち込まれるようになった。
子供が困ることを許さない親
忘れ物をした、友達とけんかをした、転んで膝を擦りむいた。こういった小さな失敗や困難は、かつては子供が自分で対処するものだった。
今は違う。困っている子供を見た親が、すぐに学校や相手の親に連絡を入れる。問題が起きる前に先回りする親もいる。
子供が困る前に解決することを、愛情だと思っている。
しかし子供は困ることで育つ
喉が渇いた、お腹が痛い、友達に意地悪をされた——こういった経験に自分で対処することで、子供は判断力と回復力を身につける。
親が先回りするほど、この機会は失われる。失敗しない子供は、失敗への対処法を知らないまま大人になる。
学校が担えることの限界
学校は勉強を教える場所だ。子供の安全を守る責任はあるが、すべての不快や困難を取り除く場所ではない。
教師に求められることが増えるほど、本来の教育に使える時間とエネルギーは減る。クレーム対応に追われる教師が、授業の質を上げることは難しい。
親が学校に求めすぎることは、結果として子供の教育環境を悪化させる。
まとめ
子供を守りたい気持ちは理解できる。しかし守りすぎることは、子供が自分で生きていく力を奪うことでもある。
小さな困難を自分で乗り越えた経験が、大人になってからの土台になる。親にできることは、解決することではなく、見守ることかもしれない。

