■FF7リバースの売上はなぜ落ちたのか
2024年2月に発売された『ファイナルファンタジーVII リバース』の初週国内パッケージ販売本数は約26.2万本だった。
一方、前作『FF7リメイク』(2020年発売)は初週で約70.2万本を記録している。
単純比較すると約44万本の減少となり、スクウェア・エニックスも決算説明で「想定に届かなかった」と認めている。
数字だけを見れば、明確な失速である。
■PS5独占はどこまで影響したのか
この落ち込みの最大要因として挙げられるのが、PS5専用タイトル化である。
FF7リメイク発売時点ではPS4の普及台数は約1億台を超えていたのに対し、リバース発売時のPS5は約5000万台規模にとどまる。
つまり単純に市場規模が半減している。
この点において、PS5独占は確実に売上に影響した要素であり、「不利な条件での発売」であったことは間違いない。
ただし、それだけでは説明しきれない問題が残る。
■リメイク時点ですでに見えていた限界
FF7リメイク初週70万本という数字は大きく見えるが、その中心は1997年の原作FF7を体験した層である。
つまり、売上の多くは「既存ファンの回帰」で構成されていた可能性が高い。
重要なのはその後である。
リメイク発売後に、FF7が若年層へ広く浸透したという明確な証拠はほとんどない。
結果としてリメイクは「原作世代の再集結」には成功したが、「新規ファンの獲得」にはつながらなかった。
その状態のままリバースに突入したことで、母数が縮小したまま続編が発売される構造になっていた。
■FF7が“新規に届かない作品”になった理由
ではなぜ新規ユーザーを取り込めなかったのか。
その一因として無視できないのが、コンテンツ消費の偏りである。
リメイク・リバースを通じて、SNS上で最も目立った議論の一つが
「エアリスかティファか」というヒロイン論争だった。
これはファンコミュニティとしては自然な盛り上がりだが、問題はその“見え方”である。
外部から見たFF7の印象が、物語テーマではなくキャラクター対立に寄ってしまった。
本来FF7が扱っているのは、
- 命と喪失
- 記憶の不確かさ
- 自己のアイデンティティの揺らぎ
といった普遍的テーマである。
しかしSNS上で目立つのは「誰が正ヒロインか」という構図であり、作品の入口としてはかなり軽く見えてしまう。
結果として、新規層に対する“入口のノイズ”になっていた可能性がある。
■FF7リメイクプロジェクトの構造的問題
PS5独占は外的要因だが、より本質的なのは構造の問題である。
FF7リメイクは発売時点で原作ファンの回収をほぼ終えており、その後の拡張が弱かった。
つまり、
- 原作世代 → 回収済み
- 新規世代 → 未獲得
この状態で分作2作目に突入している。
これは「成長余地のない市場で続編を出している」状態に近い。
■FF7リバース失速が示すもの
リバースの売上低下は単なる不調ではなく、構造的な限界の表面化とも言える。
- PS5市場の縮小
- 新規ユーザーの未獲得
- コミュニティ消費の偏り
これらが重なった結果としての数字である。
■3作目に残された最後の課題
3作目はすでに制作が進んでいるが、状況は簡単ではない。
残された原作ファンはさらに減り、新規流入の見込みも弱い。
そのため3作目は単なる完結編ではなく、
「FF7リメイクプロジェクトがコンテンツとして成立していたのかを問われる作品」
になる。
■まとめ
FF7リメイクプロジェクトの問題は「売上の失速」ではなく、「新規を獲得できない構造」にある。
そしてリバースはその限界を可視化した作品だったと言える。
switch2への展開で、この問題は解決に向かうのだろうか…?

